手続きガイド · 2026年10月時点の制度
家族が亡くなったあとの手続き一覧【期限順】
親や配偶者など、家族が亡くなったあとに必要になる主な手続きを、期限の近い順にまとめました。すべての人にすべての手続きが必要なわけではありません。あなたの状況に合わせた一覧は、こちらの無料ツールで3分ほどで作れます。
あなた専用の手続きリストを作る
いくつかの質問に答えるだけで、必要な手続きと期限の日付を一覧にします。登録不要で、入力内容はあなたの端末の中だけに保存されます。
リストを作る(無料)期限の早い主な手続き
| 期限 | 手続き | 窓口 |
|---|---|---|
| 7日以内 | 死亡届・火葬許可申請 | 市区町村役場(葬儀社が代行することが多い) |
| 10日以内 | 年金の受給停止(厚生年金)※国民年金は14日 | 年金事務所(マイナンバー登録済みなら原則不要) |
| 14日以内 | 国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険の資格喪失、世帯主変更 | 市区町村役場 |
| 3か月以内 | 相続放棄・限定承認 | 家庭裁判所 |
| 4か月以内 | 準確定申告 | 税務署 |
| 10か月以内 | 相続税の申告・納付 | 税務署 |
| 3年以内 | 相続登記(義務)/生命保険金の請求(時効) | 法務局/保険会社 |
期限は原則として「亡くなった日」または「亡くなったこと(相続が始まったこと)を知った日」から数えます。手続きによって数え方が異なるため、余裕をもって進めてください。
最初の数日
死亡診断書を受け取り、コピーを多めに取る
病院などで「死亡診断書」(事故などの場合は「死体検案書」)を受け取ります。死亡届と1枚になっています。提出すると原本は戻らないので、先にコピーを5〜10枚取っておくと、保険金や年金の手続きで役立ちます。
窓口:病院・医師
葬儀社に連絡し、葬儀の形を決める
多くの葬儀社は死亡届の提出と火葬許可の申請を代行してくれます。葬儀の費用の領収書はすべて保管してください。相続税の計算(葬式費用の控除)や葬祭費の請求に使います。
根拠:墓地、埋葬等に関する法律3条
7日以内
死亡届を出し、火葬許可証を受け取る
死亡を知った日から7日以内に提出します。同時に火葬許可を申請し、「火葬許可証」を受け取ります。葬儀社が代行することがほとんどです。
正当な理由なく遅れると5万円以下の過料(戸籍法137条)
窓口:亡くなった場所・亡くなった方の本籍地・届出人の所在地(一時的な滞在先も含む)のいずれかの市区町村役場 / 根拠:戸籍法86条 公式情報
勤務先に連絡する
健康保険の資格喪失や退職の手続きは勤務先が行います。最後の給与・退職金・社内の弔慰金、会社で入っていた団体保険についても確認します。
窓口:勤務先の人事・総務
14日以内
年金の受給を止める(受給権者死亡届)
日本年金機構は「すみやかに」提出するよう案内しています(法令上の期限は厚生年金が10日以内、国民年金が14日以内)。日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則としてこの届と死亡を証明する書類を省略できます。
窓口:年金事務所・街角の年金相談センター / 根拠:国民年金法・厚生年金保険法の施行規則 公式情報
国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失届を出す
亡くなった日の翌日に資格がなくなります。資格確認書や保険証を持っていれば返します。多くの市区町村では死亡届と同時に案内があります。
窓口:住んでいた市区町村役場 / 根拠:国民健康保険法・高齢者の医療の確保に関する法律
介護保険の資格喪失届を出す
65歳以上の方、または要介護・要支援の認定を受けていた40〜64歳の方が対象です。介護保険の被保険者証を返します。
窓口:住んでいた市区町村役場 / 根拠:介護保険法
世帯主の変更届を出す
亡くなった方が世帯主で、残った世帯員が2人以上いる場合に必要です。残ったのが1人だけの場合や、新しい世帯主が明らかな場合は不要です。
正当な理由なく遅れると5万円以下の過料(住民基本台帳法52条)
窓口:住んでいた市区町村役場 / 根拠:住民基本台帳法25条 公式情報
なるべく早く(1〜2か月が目安)
遺言書があるか確認する
自宅のほか、法務局の「遺言書保管所」(遺言書保管事実証明書を請求)と、全国の公証役場の「遺言検索」で確認できます。遺言書の有無で、このあとの手続きが大きく変わります。
窓口:自宅・法務局・公証役場 公式情報
手書きの遺言書の「検認」を家庭裁判所で受ける
手書き(自筆証書)の遺言書は、使う前に家庭裁判所の検認が必要です。法務局に預けられていた遺言書と公正証書遺言は検認がいりません。
検認をせずに開封・執行すると5万円以下の過料(民法1005条)
窓口:亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所 / 根拠:民法1004条 公式情報
戸籍を集めて相続人を確定する
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍と、相続人の戸籍を集めます。2024年3月から、本人・配偶者・父母・子などは最寄りの役所の窓口でまとめて請求できるようになりました(広域交付)。集めた戸籍で法務局の「法定相続情報一覧図」を作ると、銀行などの手続きで戸籍の束の代わりに使えて便利です(無料)。
窓口:市区町村役場(戸籍)、法務局(法定相続情報) 公式情報
財産と借金を調べる
預貯金・不動産・株式・保険・借金を一覧にします。不動産は市区町村の「名寄帳」、株式は証券保管振替機構(ほふり)への照会、借金は信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)への開示請求で確認できます。3か月以内に相続するか放棄するかを決めるために必要です。
窓口:市区町村役場・ほふり・信用情報機関・金融機関 公式情報
銀行などに連絡する
連絡すると口座は凍結され、引き出しや引き落としが止まります。公共料金などの引き落とし口座は先に変更しておくと安心です。遺産分割の前でも、相続人は1つの金融機関につき150万円までを上限に、一定額(預金額×1/3×法定相続分)を単独で払い戻せます。
窓口:各金融機関 / 根拠:民法909条の2 公式情報
公共料金・携帯電話・クレジットカード・サブスクを整理する
電気・ガス・水道は名義変更、携帯電話・クレジットカード・動画配信などは解約します。スマートフォンのロック解除方法、ネット銀行・ネット証券などの「デジタル遺品」も確認しましょう。
窓口:各契約先
未支給年金を請求する
亡くなった月までの年金で、まだ受け取っていない分は、生計を同じくしていた家族が請求できます。順番は配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他3親等内の親族です。
窓口:年金事務所 / 根拠:国民年金法19条 公式情報
遺族年金がもらえるか確認する
亡くなった方に生計を維持されていた配偶者・子などは、遺族基礎年金や遺族厚生年金を受け取れる場合があります。国民年金だけの方の場合は、寡婦年金や死亡一時金の対象になることもあります。
窓口:年金事務所・街角の年金相談センター 公式情報
葬祭費・埋葬料を請求する
国民健康保険・後期高齢者医療の方は「葬祭費」(金額は市区町村により異なります)、勤務先の健康保険の方は「埋葬料」(5万円)を請求できます。期限は2年です。
窓口:市区町村役場、または勤務先の健康保険組合・協会けんぽ 公式情報
高額療養費を請求する(入院などで医療費が高かった場合)
亡くなる前の医療費が上限額を超えていた場合、超えた分が戻ります。市区町村や健康保険から通知が届くこともあります。請求できるのは、診療を受けた月の翌月1日から2年以内です。
窓口:加入していた健康保険
生命保険金を請求する
受取人が保険会社に請求します。保険に入っていたかわからない場合は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」(有料)で、契約があるかどうかを調べられます。
窓口:各保険会社 / 根拠:保険法95条(時効3年) 公式情報
自動車の名義を変える・処分する
相続する人が決まったら、運輸支局(軽自動車は軽自動車検査協会)で名義変更をします。自動車保険の名義や等級の引き継ぎも保険会社に相談します。
窓口:運輸支局・軽自動車検査協会 / 根拠:道路運送車両法13条
在留証明・署名証明(サイン証明)を取る
海外に住む日本国籍の相続人(二重国籍の方を含む)は、住所の証明として「在留証明」、印鑑証明書の代わりに「署名証明(サイン証明)」を日本大使館・総領事館で取得します。遺産分割協議書、相続登記、銀行の手続きで求められます。日本国籍のない方は、現地の公証人による宣誓供述書などで代わりにすることが一般的です。
窓口:住んでいる地域の日本大使館・総領事館 公式情報
海外から戸籍を取り寄せる
広域交付は日本国内の窓口でしか使えないため、海外からは本籍地の市区町村に郵送で請求します。手数料の払い方は市区町村によって異なるので、事前に確認してください。日本にいる家族に頼むのも一つの方法です。
窓口:本籍地の市区町村役場(郵送)
3か月以内
海外で亡くなった場合の死亡届を出す
日本国籍の方が国外で亡くなった場合、死亡を知った日から3か月以内に届け出ます。通常は現地の死亡証明書とその和訳が必要ですが、必要な書類は国や届出先によって異なるので、事前に確認してください。
窓口:現地の日本大使館・総領事館、または本籍地の市区町村役場 / 根拠:戸籍法86条 公式情報
相続するか、相続放棄・限定承認をするか決める
借金が多い場合は「相続放棄」、財産の範囲で借金を払う「限定承認」を選べます。相続が始まったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申し立てます。調査が間に合わない場合は、期間の延長を申し立てられます。限定承認は相続人全員で行う必要があります。
窓口:亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所 / 根拠:民法915条 公式情報
4か月以内
準確定申告をする(亡くなった方の所得税)
亡くなった年の1月1日から亡くなった日までの所得について、確定申告が必要だった場合は、相続人が4か月以内に申告します。医療費などで税金が戻る場合もあります。
窓口:亡くなった方の住所地の税務署 / 根拠:所得税法125条 公式情報
納税管理人を届け出る(海外在住で税の申告が必要な場合)
日本に住所のない人が相続税や準確定申告などの手続きをする場合、日本国内の「納税管理人」を定めて税務署に届け出ます。海外に住む相続人も、財産の内容によっては日本の相続税の対象になります。
窓口:税務署 / 根拠:国税通則法117条 公式情報
10か月以内
遺産の分け方を話し合い、遺産分割協議書を作る
相続人全員で話し合い、合意した内容を「遺産分割協議書」にして全員が署名・押印(実印)します。法律上の期限はありませんが、相続税の申告が必要な場合は10か月以内にまとめるのが目安です。
相続税を申告・納付する
財産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に申告が必要です。相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告と納付をします。配偶者の税額軽減などの特例も、申告して初めて使えます。
窓口:亡くなった方の住所地の税務署 / 根拠:相続税法27条 公式情報
3年以内
相続登記をする(不動産の名義変更)
2024年4月から相続登記は義務になりました。不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記します。2024年3月以前の相続も対象で、その場合の期限は2027年3月31日(またはそれより後の、知った日から3年)です。話し合いがまとまらない場合は、簡単な「相続人申告登記」でひとまず義務を果たせます。
正当な理由なく怠ると10万円以下の過料
窓口:不動産の所在地を管轄する法務局 / 根拠:不動産登記法76条の2 公式情報
落ち着いてからでよいこと
パスポート・運転免許証などを返す
パスポートは亡くなった時点で失効します。旅券窓口に返納すると、希望すれば穴をあけて返してもらえます。運転免許証の返納は義務ではありませんが、警察署で手続きできます。マイナンバーカードは死亡届により使えなくなります。
根拠:旅券法18条 公式情報
固定資産税について確認する
固定資産税はその年の1月1日時点の所有者に課税されます。亡くなった年の分は相続人が納めます。登記が終わるまでの間、市区町村から「相続人代表者」の届出を求められることがあります。
窓口:不動産のある市区町村
いらない土地は国に引き取ってもらう制度もある
相続した土地を手放したい場合、一定の条件を満たせば「相続土地国庫帰属制度」(2023年4月27日開始)で国に引き取ってもらえます。審査手数料と負担金がかかります。
窓口:法務局 公式情報
よくある質問
死亡届はいつまでに出しますか?
死亡の事実を知った日から7日以内です(国外で亡くなった場合は3か月以内)。葬儀社が代行することがほとんどです。
相続放棄の期限は?
自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申し立てます。期間内に判断できないときは、延長を申し立てられます。
相続税の申告は誰でも必要ですか?
財産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合に必要です。超えない場合は、原則として申告はいりません。
相続登記は義務ですか?
2024年4月1日から義務になりました。詳しくは相続登記の義務化のページをご覧ください。
海外に住んでいる相続人はどうすればいいですか?
住民票や印鑑証明書の代わりに、在外公館で在留証明・署名証明を取得します。海外在住の相続人の手続きにまとめました。
参考にした公式情報
あとのことは個人が運営する情報サイトで、国や自治体の公式サイトではありません。内容は一般的な情報で、法律・税務の助言ではありません。